5歳児のわたしは母と手を繋いでスーパーに入った
母が肉や野菜など、今晩の食料を選んでいる中わたしは母の手を引っ張ってお菓子コーナーに連れてった
5歳児のわたしはどうも、オレオをとても欲しがっていて買ってほしいと母にせがんだが拒絶された
オレオは甘いし虫歯になりやすい、その上高いから、と母は言いながらどうせ買うんだったら隣のビスケットにしなさい、と言う
ビスケットは100円ばかりオレオより安かった
だけどわたしはどうも、絶対どうしてもオレオが食べたいと折れずに母に駄々をこねた
結局、叱られただけで買ってもらえなかったオレオもビスケットも
レジに並んで母の番が来た時に、レジの店員さんに母が叱られていた
どうも、このスーパーの駐車場は車を止める度に自分の駐車場を毎月支払うという契約制月の仕組みになっているらしく、
それを母は今月払っていないまま車を駐車していたらしい
そして、夢のシステム上月払いが出来ないまま車を止めた場合、その車に乗って持ち帰ってはならないという設定になっていた
母は目の前で大勢の人の前で恥をかきメンツを失ったまま、父に電話をかけ事情を説明し迎えに来てもらった
そして、車の中で父に母が叱られるという滅多にない光景を目にして後ろの席でわたしは黙って二人の仲を見つめていた
その状況の中、どうして自分が買って欲しかった100円差だけのオレオは買ってもらえなかったんだろう…とモヤモヤしていたが、父に叱られている母を見て自分のことを言う気は失せしまい夫婦の会話を他人事のように聞いていた
何とも言えない空気感、オレオのことをわたし以外みんな忘れ去られてしまったことが悲しかったが駐車場の事の方がデカかったから、自分の都合を伝えても無駄だろうなと虚しかった5歳児のわたしの夢を見た
これは夢だが、リアルに現実事情だから夢から覚めてもモヤモヤと虚しい25歳のわたしが今ここにいる